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住宅ローンを払えない人が急増中?原因や有効な対処法を解説

2026/09/28

住宅や車のローンの支払いに悩んでいる若い夫婦

金利の上昇や物価高を背景に、住宅ローンを払えない人が急増するのではないかと不安視されています。住宅ローン金利が上昇すれば毎月の返済負担が増える可能性があり、食料品や光熱費などの値上がりが続けば、家計の負担も大きくなっていきます。

住宅ローンの返済が厳しくなる原因や、支払えない場合のリスクについて解説します。あわせて、返済が難しくなった場合の対処法についても紹介しています。

「住宅ローンを払えない人」は本当に急増しているの?

住宅ローンを払えない人が本当に急増しているのかを判断するには、公的機関が公表しているデータを確認する必要があります。

ローンに関する公的なデータをもとに、現在の状況を詳しく見ていきましょう。

住宅ローンの利用件数や残高は増加している

国土交通省の「民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、令和6年度は個人向け住宅ローンにおける新規貸出額(新規の融資額の合計)、貸出残高(借入金の残高の合計)ともに前年度から増加する結果となりました。

特に新規貸出額は22兆2,473億円となっており、令和5年度の20兆2,816億円と比べると、約9.7%増加しています。

このように、直近では住宅ローンの貸出規模が大きくなっているといえます。ただし、新規貸出額や貸出残高が増えたからといって、「住宅ローンを払えない人が増えている」と断言することはできません。

住宅価格の上昇などによって1件あたりの借入額が増えれば、延滞する人が増えなくても貸出残高は膨らむ可能性があるためです。

参考:国土交通省|令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書

支払えない人が急増していると断定するのは難しい

金融庁の資料によると、令和7年4月1日から令和8年7月末までに、住宅ローンなどを借りている人から、返済条件の見直しなどの申し込みが10,069件ありました。ここでいう「返済条件の見直しなど」とは、住宅ローンの返済について金融機関に条件変更を申し込んだケースを指します。

この資料から、返済条件の変更などの申し込みが一定数あることはわかります。しかし、10,069件は人数を表した数字ではないため、「住宅ローンを払えない人が急増している」と判断することはできません。

そもそも返済条件の見直しを申し込んだ人が、住宅ローンを払えなくなっているとは限らないためです。今後の返済に不安があり、実際に滞納する前に相談しているケースも考えられます。

なお、金融庁の資料は人数ではなく住宅ローンなどの「貸付債権」を単位として集計しているため、「1万人が返済に困っている」と捉えないほうがよいでしょう。

参考:金融庁|金融機関における貸付条件の変更等の状況について

住宅ローンの返済が厳しくなる主な原因

住宅ローンの支払いが厳しく悩んでいる女性

一般的に、住宅ローンは20年、35年など長期にわたって返済します。そのため、借入時には無理のない返済計画でも、その後の収入や家計の変化によって支払いが難しくなることがあります。

特に影響が大きい要因として、収入の減少、物価高による生活費の増加、住宅ローン金利の上昇が挙げられます。

毎月の収入が減少

住宅ローンは借入時の収入や返済能力などをもとに返済計画を立てるため、その後に収入が減少すると、当初想定していたより返済負担が重くなることがあります。

特に注意したいのが、ボーナス返済を多く設定している世帯や、夫婦2人の収入を前提に借入額を決めている世帯です。たとえば、ペアローンを組んでいる夫婦の場合、どちらかの収入が減るだけで、教育費や固定資産税、住宅の修繕費などを含めた家計全体のバランスが崩れるおそれがあります。

ローンの滞納を防ぐためにも、現在の手取り収入に対して返済額が重くなっていないかを定期的に確認することが重要です。

物価高で生活費が増加

住宅ローンの返済額が変わらなくても、食費や光熱費、日用品などが値上がりすれば、生活費が増え、住宅ローンの返済に回せるお金は少なくなります。

物価の動きを確認できる代表的な指標が、総務省の「消費者物価指数」です。これは、食料や衣類、電気代、交通費など、家庭で購入する商品やサービスの価格が、以前と比較してどの程度変化したかを示すものです。

総務省によると、東京都23区における2026年8月の消費者物価指数(速報値)は、前年の同じ月と比べて1.9%上昇しました。つまり、家庭が購入する商品やサービスの価格が前年より高くなっているということです。一つひとつの値上げは小さくても、食費や光熱費など複数の支出が増えれば、家計全体の負担は大きくなります。

住宅を購入した後は、住宅ローン以外にも固定資産税や火災保険料がかかり、マンションの場合は管理費や修繕積立金などの支払いも必要です。そこへ子どもの進学や自動車の買い替えなどの大きな支出が重なると、これまで問題なくローンを返済していた世帯でも資金繰りが厳しくなることがあります。

参考:総務省統計局|消費者物価指数(CPI)

住宅ローンの金利が上昇

住宅ローンの金利が上がると、借りたお金に対して支払う利息が増えるため、返済負担が重くなります。特に変動金利型は、借入後も金利が見直されるため、金利上昇の影響を受けやすいのが特徴です。

収入が増えないまま返済負担だけが大きくなれば、住宅ローンの支払いが家計を圧迫する原因になります。日本銀行は2026年6月に政策金利を1.0%程度へ引き上げました。今後も追加の利上げが行われれば、住宅ローン金利にも影響するおそれがあります。

仮に、3,500万円を35年返済(元利均等返済・ボーナス返済なし)で借りた方で、金利が年0.5%の場合と年1.5%の場合を比較すると、毎月の返済額は約9万900円と約10万7,200円になり、約1万6,300円の差です。

なお、金利や返済額を見直すタイミングは金融機関や商品によって異なります。契約内容を確認し、金利が上昇した際に返済負担がどの程度増えるのか把握しておくことが大切です。
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住宅ローンが払えないときに起こるリスク

住宅ローンを一度滞納しただけで、すぐに自宅を失うわけではありません。しかし、滞納を放置し続ければ遅延損害金や督促が発生し、最終的に自宅を失う可能性があります。

状況が進むほど選べる対処法が少なくなるため、ローンが払えないときは早めに対応することが大切です。

段階 主なリスク
ローン返済を滞納する 金融機関から督促を受け、遅延損害金が発生するおそれがある
滞納が長期化する 信用情報に延滞などの情報が登録され、ローンやクレジットの審査に影響するおそれがある
一括返済を求められる 契約上の「期限の利益」を失い、金融機関からローン残高の一括返済を求められる場合がある
保証会社が代位弁済する 保証会社が金融機関へ返済し、その後は保証会社から債務者へ返済を求められる※保証会社の保証が付いている場合
自宅が競売にかけられる 債権者が裁判所へ競売を申し立て、自宅が売却される可能性がある
売却後もローン残債が残る 売却代金で住宅ローンを完済できなければ、残った債務の返済が必要になる

なお、ローンの滞納から一括請求や競売に至るまでの期間は、金融機関や契約内容、手続きの進み方によって異なります。自己判断で「〇カ月までは滞納しても大丈夫」と考えて、放置するのは避けましょう。

住宅ローンが払えない場合に有効な対処法

住宅ローンの返済が厳しいと感じたときは、実際に滞納する前に動き始めることが重要です。現在の返済状況に応じて、以下の方法を検討しましょう。

対処法1:返済中の金融機関に相談する

まず行いたいのが、住宅ローンを借りている金融機関への相談です。収入の減少などによって返済が難しくなった事情を伝えることで、返済期間の延長や一定期間のみ返済額の軽減など、返済条件を変更できるケースがあります。

フラット35を提供する住宅金融支援機構では、離職や病気といった事情により返済が困難になった人を対象に、返済期間の延長などによって月々の返済額を減らすメニューを用意しています。

利用できる制度や条件は金融機関や商品によって異なります。ただし、審査があるため希望どおりの変更ができない場合もあります。重要なのは、滞納が続いてから相談するのではなく、「来月から返済が厳しい」とわかった段階で相談することです。

参考:住宅金融支援機構|月々の返済でお困りになったとき

対処法2:家計の見直しや借り換えを検討する

返済を継続することが可能なときは、まず家計を見直しましょう。通信費や保険料、サブスクリプション、自動車の関連費など固定費を確認することで、継続的に支出を減らせる可能性があります。

このほか、現在より有利な条件の住宅ローンへ借り換えることで、毎月の返済額や総返済額を減らせるケースもあります。ただし、借り換える際にも審査があり、事務手数料や登記費用なども必要です。

単純に「金利が低い」という理由だけで借り換えるのではなく、諸費用まで含めた総返済額を比較することが大切です。すでに住宅ローンを滞納していたり、収入が大きく減少していたりすると、借り換えの審査に通りにくくなることも考えられます。

そのため、家計にまだ余力がある段階で、家計の見直しや借り換えを検討するのがポイントです。

対処法3:返済が難しい場合は「任意売却」を検討する

家計を見直しても返済を続けるのが難しく、自宅を通常どおり売却しても住宅ローンを完済できないときは、「任意売却」が選択肢に加わります。

任意売却とは、住宅ローンを完済できない場合に、金融機関などの債権者から抵当権の抹消について同意を得て売却する方法です。競売に比べて高値での売却が期待できるほか、自宅の引渡し時期を調整しやすい点もメリットです。

ただし、売却代金が住宅ローン残高を下回れば、任意売却をしても支払い義務が残ります。加えて、債権者による抵当権抹消の同意が必要になるため、通常の不動産売却よりも調整が複雑になります。

ローンの滞納が長期化して競売の手続きが進むほど、選択肢は少なくなります。返済できる見通しが立たないときは、金融機関へ相談するとともに、不動産会社に家の査定を依頼するなど、早い段階から売却も含めて検討するとよいでしょう。
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