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【相続税】2024年の改正ポイントをわかりやすく解説

2023/09/26

2024年から相続税・贈与税において、いくつかの改正が入ります。

日本は高齢化に伴い、相続件数は毎年増加傾向にあります。改正内容を理解しておかないと、大きな損失を被るおそれがあります。相続税または贈与税における2024年の改正ポイントをわかりやすく解説します。

2024年4月1日からは相続登記が義務からされることも決まっており、相続の開始や所有権を取得したことを知った日から3年以内に不動産の名義変更を登記をしなければなりません。相続税がより身近なものになることを踏まえて、きちんと理解しておきましょう。

相続時精算課税制度が利用しやすくなる

相続時精算課税制度の改正について、具体的な変更内容を細かく理解している人はまだ少ないかもしれません。

今回の改正は、今後相続を受ける可能性のある人に大きく関わる内容であるため、実際に新たな制度が始まる前に理解を深めておきましょう。

相続時精算課税制度の改正について、具体的な変更点などを押さえながらわかりやすく解説していきます。

相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度とは、贈与を受ける際の贈与税や相続税の計算方法のことで、一定の条件を満たしている場合に選択できる制度です。

具体的な内容としては、贈与された財産の累計が2,500万円までは贈与税が課税されず、その後の相続発生時に、贈与されてきた財産と相続する財産のすべてに対して相続税が課税されるという制度です。

ただし、累計贈与財産が2,500万円を超えた部分は、20%の税率を掛けた金額が課税されます。なお、2,500万円までは贈与税は課税されませんが、贈与が発生した際の申告は都度行わなければなりません。

このような制度が、現状の相続時精算課税制度となっています。

改正により年間110万円の基礎控除が追加

2024年の相続時精算課税制度の改正における大きな変更点は、年間110万円の基礎控除が追加されるという点です。

これにより、毎年110万円以下の贈与であれば贈与税は課税されず、110万円までの贈与は2,500万円の特別控除累計額にも含まれません。

つまり、現行では相続時精算課税制度の適用後はすべての贈与財産が相続財産として加算されるのに対して、改正後は年間110万円の贈与財産が除かれます。

さらに、改正前の制度では、贈与税が課税されない場合も申告が必要だったのに対し、改正後は年間110万円までの贈与であれば申告も不要となります。

利用時には十分の検討を

これまで、相続時精算課税制度は使い勝手の悪い制度として認識されていました。

改正で利用しやすくなるとはいえ、利用には十分な検討が必要です。とくに、一度相続時精算課税制度を選択すれば、後述する暦年課税制度に切り替えることができません。

相続時精算課税制度を利用する場合には、事前の手続きが必要です。最初の贈与の翌年2月1日から3月15日までに申告書の提出が必要です。自身の財産や家族構成に応じて、慎重に検討しましょう。
相続不動産に関するお問い合わせ

相続税の生前贈与加算の延長

贈与税や相続税の計算に関する制度は、相続時精算課税制度のほかに、暦年課税制度というものもあり、どちらか一方を選択することになっています。

2024年の改正では、暦年課税制度における、相続税の生前贈与加算の対象期間についても変更点があります。

相続税の生前贈与加算とは

相続税の生前贈与加算とは、相続が発生する前の一定の期間において生前贈与を受けた場合、対象となる贈与財産が相続税を計算する際の相続財産に加算されるという制度です。

つまり、暦年課税制度では、相続が発生する直前に生前贈与を行っていたとしても、相続税が課税されてしまうことになります。

対象期間が3年から7年へ

これまでの暦年課税制度では、生前贈与加算の対象となる期間は相続から遡って3年だったのに対し、2024年の改正後は対象期間が7年に延長されます。

なお、対象期間の延長は2024年から段階的に行われ、2031年以降の相続発生時から生前贈与加算が一律で7年になると把握しておきましょう。

暦年課税制度では納税の負担が大きくなる可能性も

2024年の改正で、生前贈与加算の対象期間が3年から7年へ延長されることにより、暦年課税制度を選択すると納税の負担がこれまでよりも大きくなる可能性が考えられます。

たとえば、相続が発生する5年前に生前贈与を行っていた場合、改正前であれば相続税の計算で相続財産への加算は必要なかったものの、改正後は含めなければなりません。

生前贈与した財産が相続財産へ加算されれば、当然ながら相続税の額は大きくなってしまいます。そのため、制度を選択する際は慎重に判断したほうがよいといえるでしょう。

マンションの相続税評価額の引き上げ

2024年における相続税に関する制度の主な改正内容は、これまで紹介してきた2点となりますが、このほかにも、不動産相続において「マンションの相続税評価」についても変更があるため、確認しておきましょう。

マンションの中でも、いわゆるタワーマンションを所有している人に大きく関わってくる内容となるので、詳しい変更内容について見ていきましょう。

マンションの相続税評価額の現状

マンションの相続税評価額についての変更点を把握するためには、まずマンションの相続税評価額に関する現状を理解しておく必要があります。

マンションの相続税評価額は、実勢価格を大幅に下回っているのが現状です。実勢価格とは、市場で実際に売買された価格のことです。売り手と買い手の間で需要と供給が釣り合う価格です。

マンションの相続税評価額と実勢価格の乖離により、高額で取引されているマンションを利用した節税対策が、一部の富裕層の間で流行してしまい、対策が検討されるようになりました。

2022年4月の最高裁の判決

2022年4月に最高裁で相続人側の敗訴が確定し、約3億円の相続税が追徴課税されるという判決がありました。

相続人は路線価などに基づいて評価額を約3億3千万円として相続税を0円と申告しました。しかし、国税当局は不動産鑑定に基づき、評価額を約13億と見直し、約3億円の追徴課税を求めました。最高裁では、相続人の一連の行為が相続税の負担軽減を意図したものであり、他の納税者との間に看過しがたい不均衡が生じると認定しました。

この判決は、今回の見直しに大きな影響を与えたといえるでしょう。

相続税評価額を引き上げて納税の負担を公平に

現状では、実勢価格と相続税評価額との差が広がりすぎて、納税の負担が公平ではなくなってしまっています。

そこで、できるだけ納税の負担を公平にすることを目的とし、2024年の制度改正に伴い、マンションの相続税評価額が引き上げられる見通しです。

目安としては、実勢価格に対して現状では4割程度となっている相続税評価額を、6割程度まで引き上げることを目指しているようです。6割程度の理由は戸建ての相続税評価額が現状6割程度であり、同程度にするためです。

マンション投資は慎重に行うべき

いわゆるタワーマンションの高層階のような高額取引されるマンションを、投資目的で所有することを検討している人は、今回の相続税評価額の引き上げを考慮し、慎重に行ったほうがよいでしょう。

今回の引き上げ案でもわかるように、国税庁は制度を利用した節税対策についてこれまで以上に目を光らせていることが考えられます。そのため、節税することだけを目的として高額なマンションを所有したとしても、追徴課税を求められてしまい、投資に失敗してしまうかもしれません。

もちろん、節税対策を考えることは決して悪いことではありませんが、節税することだけを目的としたマンション投資はリスクがあるということも理解し、慎重に行うことが重要といえるでしょう。
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