冬の布団、強敵すぎる。
目覚ましが鳴る。
「起きなきゃ」って思う。
でも布団が優しくこう言うんですよね。
「いや、まだいていいよ?」って。
その一言が危険。
布団の魔力が最大化してる冬の朝、
“あと5分”は“あと30分”の意味だと気付くのは、
遅刻ギリギリになってから。
結局飛び起きて、
布団に一言だけ残すんです。
「裏切ったな…!」

目覚ましが鳴る。
「起きなきゃ」って思う。
でも布団が優しくこう言うんですよね。
「いや、まだいていいよ?」って。
その一言が危険。
布団の魔力が最大化してる冬の朝、
“あと5分”は“あと30分”の意味だと気付くのは、
遅刻ギリギリになってから。
結局飛び起きて、
布団に一言だけ残すんです。
「裏切ったな…!」
朝起きたら、喉がカラッカラ。
「あぁ、乾燥の季節がきたな…」と思って、
押し入れから加湿器を引っ張り出した。
で、毎年恒例のやつ。
タンクを開けた瞬間の、あの“なんとも言えない香り”。
説明するの難しいけど…
『夏の間ほったらかしだった家電の気配』みたいな匂い。
慌てて洗うんだけど、
フィルターのホコリが思ったより強敵で、
「お前ここで何年暮らしてた?」ってレベルで居座ってる。
やっと起動したと思ったら、
今度は“加湿量:弱”しか反応しない。
寝起きの人間より低いテンションで働いてくる。
毎年使うのに、毎年なにかしら裏切ってくる加湿器。
でも、これがないと真冬は喉が終わる。
今年もまた、文句を言いながら仲良くする季節がやってきた。
朝の冷たい空気。
玄関を出た瞬間、「あ、もう手袋の季節だな」ってなる。
車に乗り込んで、ハンドルを握る。
……つめたっ!!
まるで氷柱。
ステアリングヒーターなんて高級装備、うちの車にはない。
片手で息をふーふー、もう片手でエンジンをかける。
冷えた手でウインカー出すのも地味に痛い。
これ、もはや修行。
そういえば去年も同じこと言ってた気がする。
そして今年もまた、スマホ対応手袋が反応しない。
LINEの返信をしようとしたら、「お」しか打てない。
手も心も、もう少し温めてから出かけよう。
冬は始まったばかり。
いつも通りコンビニへ行って、
なんとなく手が伸びたのは“ホット”の方。
その瞬間、季節が変わる音がした。
レジで店員さんが渡してくれる紙カップ、
あのほのかな温もりが手に染みる。
冷たい空気の中で、ちょっと幸せ。
ただし、一口目の「熱っ!」は恒例行事。
学習しないのも、冬の風物詩。
気温が下がると、自然と冷蔵庫を覗き込む。
白菜、長ネギ、豆腐、そして…ポン酢。
はい、今日から鍋シーズン開幕です。
最初は「みんなで囲むと楽しいよね」なんて言ってたけど、
気づけば一人鍋が一番気楽。
会話も取り分けもいらない。黙って煮る、それが最高の癒し。
ただし翌日、鍋の残り汁で雑炊を作る瞬間――
「これ、昨日よりうまくない?」ってなる。
二日目が本番、それが鍋界の真理。
朝、寒い。
タンスの奥からヒートテックを引っ張り出してみた。
……うすっ!?
去年はあんなに頼もしかったのに、
なんだかペラッペラ。
布も人間関係も、時間が経つと距離ができるのかもしれない。
それでも袖を通してみると、
じわっと温かい。
なんだかんだで、やっぱりこの人(?)がいないと冬が始まらない。
最近さ、梅雨より秋雨の方が雨季っぽくない?
梅雨が「梅が実る頃の雨」だとしたら、
秋雨は「洗濯物が乾かない頃の雨」。
実りも何も、収穫期だし。
しとしと、じとじと、時々ザーッ。
毎朝カーテンを開けるたびに「またか…」とため息。
天気予報アプリは、もはや希望を奪う存在になっている。
でも不思議なことに、
この季節って“なんかしっとり”が似合うんだよね。
コーヒーも濃いめ、音楽もバラード寄り。
あぁ、心まで低気圧。
結局、今日も靴下が乾かない。
秋雨前線、どうせなら人生の湿り気もまとめて流してほしい。
ついに買った、カボチャ。
芋も栗ももらいもので揃ってきたけど、
最後のピースは自腹で調達。
なんかこう、「自分で取りに行った秋」って感じがして悪くない。
ただ、買ってから気づく。
というか、思い出す。
……カボチャって、固い。
包丁が入らない。指がこわい。
一瞬「これ、食材で合ってる?」って思うほどの防御力。
四苦八苦して切り分けた末、ポタージュにしてみたら、
まろやかで優しい味。
あの強固な見た目とのギャップにちょっと笑ってしまう。
ちょっと遅めのハロウィン気分。
秋の味覚、これで三銃士そろい踏み。
でも来年は…もう少し柔らかい秋にしてほしい。
キッチンの片隅に、ずっしりとしたサツマイモが鎮座している。
栗をもらった翌週に芋。
——あと1つで、“芋栗かぼちゃ”コンプリートだ。
とりあえず焼くか、蒸すか、スイートポテトにするか。
でも結局、一番うまいのはアルミホイルに包んでトースター任せ。
甘い匂いが漂ってくるあの時間が、すでにごちそう。
熱々を割ったときに立ちのぼる湯気。
「これ、誰かに見せたい」って思うけど、
見せても伝わらない。
インスタに載せようとするけど、
——香りとほくほく感は、カメラじゃ撮れないんだよな。
冷めると味が落ちるのに、
なぜか2本目も焼いてしまう。
“またあの時間を待ちたい”っていう、
もはやスイートポテト型の恋。
芋栗かぼちゃ。
全部そろったら、秋を制覇した気分になるけど、
たぶんどれも、手にした時点でもう勝ち。
——季節は、食べもののかたちで届く。