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土壌汚染のある工場跡地でマンション開発はできる?主な対策と資産価値への影響

2025/11/28

工場跡地の売却は一般の土地取引とは違い、土壌汚染の調査や法令対応など専門的な判断が欠かせません。マンション開発業者へ売却する場合は、ディベロッパーが重視する開発リスクや販売リスクを適切に把握する必要があります。

調査不足や告知漏れがあると価格が下がるだけでなく、売却そのものが難しくなることもあります。まずは、工場跡地における土壌汚染リスクと、その対策方法について正しく理解することが大切です。

工場跡地の土壌汚染リスクと想定される健康被害

前提として、工場跡地だからといってマンション開発ができないわけではありません。土地自体に法令上の問題がなく、適切な調査で現状を把握できていれば、ディベロッパー(不動産開発業者)が買主となる可能性は十分にあります。

ただし、工場跡地は一般的な土地に比べて土壌汚染のリスクが高いのは事実です。調査や告知を丁寧に行わないとディベロッパーに敬遠され、売却の長期化が考えられます。

また、適切な対応を行わずに売却した場合、後から汚染が発覚すると契約不適合責任の追及やトラブルに発展するケースも少なくありません。土壌汚染は健康被害につながる可能性があるため、オーナーとしては土壌汚染のリスクと影響を正しく理解しておくことが大切です。

土地オーナーが最初に確認すべき「土壌汚染対策法」

工場跡地のオーナーは「土壌汚染対策法」についての十分な理解が必要です。

土壌汚染対策法とは、土壌汚染の状況把握や健康被害の防止に関する措置などを定めた法律です。土壌汚染対策を実施し、国民の健康を保護することを目的としています。

土壌汚染対策法により、以下のいずれかに該当する土地は土壌汚染調査が義務付けられています。

  1. 有害物質使用特定施設の使用を廃止したとき(土壌汚染対策法第3条)
  2. 一定規模以上の土地の形質の変更の届出の際に、土壌汚染のおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(土壌汚染対策法第4条)
  3. 土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(土壌汚染対策法第5条)

引用:環境省|土壌汚染対策法の概要 4

「有害物質使用特定施設」とは、ダイオキシンなど特定の有害物質を使用または処理している施設のことで、概要については各自治体で確認できます。一定規模の土地とは、原則として3,000㎡以上の土地を指しますが、自治体により基準が異なります。

「土壌汚染対策法」による調査の有無

工場は、有害物質使用特定施設に該当する可能性が高いため、閉鎖する際は土壌汚染対策法にもとづいて土壌汚染の調査が必要です。

しかし、工場の操業停止に伴って土壌汚染調査が実施されているケースも多いでしょう。土壌汚染調査をすでに実施していて特に問題がなかった場合、売却に伴って改めて調査する必要はありません。

一方、土壌汚染対策法が制定されたのは平成14年(2002年)です。工場の操業停止が土壌汚染対策法の制定よりも前の場合、調査が実施されていない可能性が高いでしょう。

まずは、所有する工場跡地で土壌汚染対策法に基づく調査が実施されているか確認します。調査が行われていない場合は、環境大臣または都道府県知事に指定された「指定調査機関」による調査を受けなくてはいけません。

調査の結果、土壌汚染が発覚した場合は、汚染土壌の封じ込めや汚染土壌の除去などの対処が必要です。

参考:e-Gov 法令検索|土壌汚染対策法

売却した土地で土壌汚染が発覚した場合のリスク

売却後に土壌汚染が発覚すると、売主であるオーナーは契約不適合責任に問われる可能性があります。

契約不適合責任とは、引き渡された物の品質、種類、数などが合意した契約内容と一致しない場合、売主が買主に対して負う責任のことです。売却した工場跡地が以下のいずれかに該当した場合、責任追及や損害賠償請求を受けるおそれがあります。

  • 土壌汚染の調査義務があるにもかかわらず調査を行わなかった
  • 土壌汚染の事実、または汚染リスクを認識していながら告知しなかった
  • 契約書で 「土壌汚染はない」という前提を契約条件に含めていた

マンション開発業者や不動産会社などの事業者が買主の場合でも、個人の売買契約と同じく、告知義務や調査の不履行があれば契約不適合責任の対象となります。特に土壌汚染は、開発計画や建築コストに大きく影響するため、事業者側は厳格に確認するでしょう。

事業者との取引でも、契約不適合責任を負わないという免責特約を設定することは可能です。ただし、故意に事実を隠していた場合などは、契約書に免責特約を盛り込んだとしても無効になります。

契約不適合責任に当たらない場合でも、法令で義務付けられた調査を怠った場合、債務不履行責任や不法行為責任を追及される可能性があります。そのため、事前調査と正確な告知が不可欠です。

さらに、法的な調査義務を怠った場合には行政処分や罰則が科される可能性もあります。

参考:e-Gov 法令検索|民法

土壌汚染によって起こりうる健康被害

土壌汚染によって起こりうる健康被害として以下のものが挙げられます。

  • 目や皮膚への刺激
  • 頭痛
  • めまい、吐き気
  • 貧血
  • 肝臓や腎臓への障害
  • 皮膚・胃腸障害
  • 発がん性

土壌汚染による健康被害はすぐに現れるのではなく、有害物質の蓄積により徐々に発生するのが一般的です。起こりうると考えられる症状が多岐にわたるため、土壌汚染が原因と特定するのが難しいケースもあります。

工場跡地の主な汚染対策と費用相場

前述のように、売却後に土壌汚染が発覚すると売主は責任を問われるだけでなく、行政処分・罰則を科される可能性があります。

工場跡地は土壌汚染のリスクが高いため、売却前に調査および対処をすると安心です。そのため、工場跡地の汚染対策として、土壌汚染の調査方法や対処法について解説します。

土壌汚染の調査方法

土壌汚染の主な調査方法として以下の3つが挙げられます。

  • 地歴調査
  • 表層調査
  • ボーリング調査

地歴調査は必ず行い、土壌汚染の恐れがあると判断できる場合に表層調査やボーリング調査を行うのが一般的です。

地歴調査

地歴調査とは、対象の土地に関する情報をできる限り遡って調査し、土壌汚染のリスクがないかを調べる方法です。過去に土地がどのように活用されていたか、特定有害物質の使用履歴があるかなどを調査します。

地歴調査はあくまでも書類上の調査であり、現地での状況や汚染の有無までは調査しません。

表層調査

表層調査では実際に土壌および土壌ガスを採取し、土壌汚染の有無を調査します。表層土壌調査・土壌ガス調査と呼ばれることもあるようです。「表層」という通り、土地の表面から深さ50cmまでの浅い部分を調査対象としています。

採取した土壌サンプルに含まれる特定有害物質が基準値を超える場合は、土壌汚染があると判断されます。

ボーリング調査

ボーリング調査とは専用の機械を用いて深く穴を掘り、土壌サンプルを採取して行う調査です。地質の状況が確認できるため、土壌汚染の疑いが強い場所に対して行うと効果的です。

土壌汚染の主な対策方法

調査によって土壌汚染が発覚した場合は浄化対策が必要です。土壌汚染の主な浄化方法を3つご紹介します。

掘削による除去

掘削による除去とは汚染された土壌を掘削してその場から除去し、掘削除去された場所に新しい土壌を入れるという方法です。

掘削による除去のメリットとして、汚染土壌を確実に除去できる点や、後述の方法に比べて短期間で済む点が挙げられます。一方で、費用が高い点や環境負荷は大きい点がデメリットです。

オンサイト浄化

オンサイト浄化とは、汚染土壌を掘削してから薬剤や微生物などを用いて現地で浄化し、無害化させた上で掘削した土地に埋め戻す方法です。比較的安価に済む点がメリットですが、汚染物質の種類や敷地の広さなどの条件によっては実施できない可能性があります。

原位置浄化

原位置浄化とは汚染土壌の掘削をせずに、その場で浄化する方法です。具体的な方法として、微生物や薬剤を注入、または土壌ガスの吸引除去が挙げられます。

掘削を伴う浄化方法に比べて安価に済む点や、環境負荷が小さい点もメリットです。デメリットとして、適応可能な対象物質が限られている点や、浄化に時間がかかる点が挙げられます。

土壌汚染対策にかかる費用の目安

土壌汚染の調査および、汚染が確認された場合の対応には費用が発生します。しかし、対処方法によって費用が大きく変わるため、場合によっては安価で処理することも可能です。

対策方法 費用
地歴調査 10万円~30万円程度
表層調査 調査地点ごとに20万円~60万円程度
ボーリング調査 1カ所につき20万円~80万円程度
採掘による除去 1立方メートルあたり3万円~10万円程度
オンサイト浄化(薬剤・微生物処理など) 1立方メートルあたり3万円〜10万円程度
原位置浄化(薬剤注入・ガス吸引) 1立方メートルあたり1万円〜10万円程度

調査範囲や有害物質の有無、調査地点の形状などのさまざまな要素によって費用は変動するため、所有する土地の状況に合わせて選択しましょう。

工場跡地に関するお問い合わせ

土壌汚染による工場跡地の資産価値の変動

土壌汚染は土地の資産価値が下がる要因の一つです。工場跡地の場合、土壌汚染がどのように価格に影響するのかを理解しておくことが重要です。

土壌汚染が判明した土地は価値が下がる

土壌汚染が判明した土地は資産価値が下がる傾向です。理由として以下の3つが挙げられます。

  • 土地を浄化するために別途費用がかかる
  • 浄化後に一定期間のモニタリングを行うことが多く、土地活用までに時間がかかる
  • 土壌汚染の事実が将来の販売活動に影響し、デベロッパーにとってリスクとなる

このように、土壌汚染は土地の評価を下げる要因となります。ただし、デベロッパーの中には土壌浄化を自社で実施できる企業もあるため、 価格調整をすることで成約につながるケースもあります。

調査済みの土地は査定額アップにつながる

土壌調査の結果、汚染の事実がないと判明した土地は不動産会社の査定額がアップしやすくなります。

土壌汚染がなく安全であることが証明されているため開発のリスクが低く、すぐに土地を活用できるからです。

土壌汚染がある土地と比べて、販売リスクや追加費用の懸念がないため、開発事業者にとっても安心材料となります。工場跡地をスムーズに売却したい場合は、事前の土壌調査を行うことをおすすめします。

工場跡地の売却は高い専門性が求められるため、住宅を仲介する不動産会社では対応できないケースも見られます。そのため、工場の取引実績がある不動産会社に相談してみましょう。

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