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住宅ローンの固定金利と変動金利の違いは?最近の金利動向も解説!

2024/09/30

住宅ローンの金利は、大きく変動金利と固定金利の2種類に分けられます。住宅金融支援機構の調べによると、現在は変動金利を選ぶ人が主流です。しかし、固定金利に分類される固定期間選択型や全期間固定型のローンにもメリットがあります。

住宅ローンの変動金利と固定金利の違いなどを解説します。

2024年7月の日本銀行(日銀)利上げに伴う、変動金利への影響についても分かりやすく解説します。

住宅ローンの変動金利と固定金利の違い

住宅ローンの固定金利(固定期間選択型・全期間固定型)と変動金利(変動型)の違いは、以下の表の通りです。

住宅ローンの金利タイプ 特徴
固定金利 固定期間選択型(固定金利期間選択型) 2年・3年・5年・10年など、最初に選んだ期間の金利が固定されるタイプ
全期間固定型(全期間固定金利型) ローンを借りる全期間にわたって、金利が固定されるタイプ
変動金利(変動型) 日本銀行(日銀)の金融政策の変化や、直近の金融市場の動向に応じて、通常半年ごとに金利の見直しが行われるタイプ

最初に選んだ期間の金利が固定される「固定期間選択型」

固定金利の住宅ローンの中でも、最初の契約時に選んだ期間のみ金利が固定されるタイプを、固定期間選択型(固定金利期間選択型)といいます。例えば、2年・3年・5年・10年などの期間を選び、金利を固定できます。

固定期間が終了すると、その時点での金利水準で変動金利型に移行するか、再び期間を選択して金利を固定するか選べます。

固定期間選択型のメリット

固定期間選択型のメリットは、契約時に決めた期間は返済額が変わらないという点です。経済情勢などの変化により、急激な金利の上昇が発生しても、固定金利の期間中は影響を受けません。

固定期間選択型のデメリット

一方、固定期間選択型にはデメリットもあります。

固定期間選択型では、契約時に決めた期間が終了すると、その時点の金利水準で固定金利か変動金利かを選び直します。そのため、最初にローンを組んだ時点では、将来の返済額を予測できません。固定期間終了後の金利の変動によっては、想定より返済額が増える可能性もあります。

全期間を通じて金利が変化しない「全期間固定型」

全期間固定型(全期間固定金利型)の住宅ローンは、借入期間全体にわたって金利が変わりません。借り入れ直後から完済まで、契約時に決めた金利でローンを返済します。

全期間固定型のメリット

全期間固定型のメリットは、月々の返済額が決まっているため返済計画を立てやすい点などです。

将来の金利変動リスクもありません。金利上昇リスクに翻弄(ほんろう)されたくない人は、全期間固定金利型を選ぶとよいでしょう。

全期間固定型のデメリット

全期間固定型のデメリットは、変動金利型のローンよりも金利が高めに設定されている点です。

例えば、変動金利の目安は大手銀行で0.4%前後、インターネット銀行では0.3%以下になる場合もあります。しかし、固定金利は住宅金融支援機構のフラット35などのように、年1%台後半となることが一般的で、変動金利とは大きな差があります。

通常半年ごとに金利が見直される「変動型」

変動型(変動金利型)の住宅ローンでは、日本銀行(日銀)による金融政策の変化や、直近の金融市場の動向に応じて、通常半年ごとに金利が見直されます。固定金利型よりも金利が低いことから、現在主流となっているローンです。

変動型のメリット

変動型を選ぶメリットは2つあります。

  • 固定金利型よりも金利が低く、金利水準が下がると将来の返済額がさらに少なくなる
  • 元利均等返済の場合、5年ルールが適用されるため、金利が大きく上昇してもすぐに家計への影響はない

元利均等返済とは、毎月の返済額が一定となる返済方法です。

変動型のローンでは、通常半年ごとに金利が見直されます。しかし、元利均等返済を選ぶと、5年ルールによって返済額が原則5年ごとに見直されるため、金利が大きく上昇しても毎月の返済額がすぐには変わりません。

また毎月の返済額が増える場合も、それまでの返済額の125%を超えない仕組みになっています。この仕組みを125%ルールといいます。

変動型のデメリット

一方、変動型のローンにはデメリットも2つあります。

  • 金利の変動によって将来の返済額が変わる可能性があるため、ローンを組んだ時点で返済総額を予測できない
  • 元利均等返済の場合、金利が急激に上昇しても5年間は返済額が変わらないため、返済額のうち利息が占める割合が高くなり、元金がほとんど減らない可能性がある

変動型のローンを借りる際に注意したいのが、未払利息が発生するリスクです。住宅ローンにおける未払利息とは、急激な金利の上昇が起きたときに、毎月支払うべき利息の金額が返済額よりも多くなってしまう現象を指します。

未払利息が発生すると、返済額のうち元金に相当する部分がゼロになるため、ローンを返済しても残高が減らない状態が続きます。変動型のローンを選ぶ場合は、将来の金利変動リスクがあることや、金利が変動したときの対応方法を想定しておくことが大切です。

※参考:一般社団法人 全国銀行協会「変動金利住宅ローンの未払利息とは?」

住宅ローンの利用状況!変動型を選ぶ人が8割に迫る

住宅金融支援機構が実施した「住宅ローン利用者の実態調査結果(2024年4月調査)」によると、住宅ローンの金利タイプ別の割合は以下の通りです。

住宅ローンの金利タイプ 割合
固定金利 固定期間選択型(固定金利期間選択型) 15.1%
全期間固定型(全期間固定金利型) 8.0%
変動金利(変動型) 76.9%

変動型の住宅ローンを利用している人の割合は、2023年10月調査から2.4%上昇し、2024年4月の時点で76.9%です。固定金利と比べて低金利であることが魅力となり、現在の住宅ローンの主流は変動金利となっています。

一方、固定金利の中でも、全期間固定型のローンを選ぶ人の割合が0.8%増加しました。微増した背景には、将来の金利上昇リスクに対する不安が高まっていることなどが挙げられます。実際に全期間固定型のローンへの借換えを行った人のうち、33.3%が適用金利が上昇し、返済額が増加するからと回答しています。

住宅の購入に関するお問い合わせ

日本銀行(日銀)の利上げにより住宅ローンの変動金利に上昇の動きも

日本銀行(日銀)は2024年3月の金融政策決定会合において、マイナス金利政策を解除し、17年ぶりに利上げを実施しました。また2024年7月には、短期金利の誘導目標を従来の約0%~0.1%から、約0.25%に引き上げました。

住宅ローンの変動金利は、日本銀行(日銀)の政策金利の影響を受ける短期プライムレートに基づいて決まります。

そのため、日本銀行(日銀)の一連の利上げにより、各銀行が金利の引き上げを検討しています。こうした住宅ローンの金利引き上げにより、変動金利型のローンを利用している人にとっては、返済総額が増える可能性がある状況です。

そのため、手元資金に余裕がある人は、繰り上げ返済を検討するとよいでしょう。毎月の返済額は増えるものの、元金の減りが早くなるため、金利の上昇による利息分の負担を減らせます。

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